チームで開発を行う際、必ず直面する問題があります。

これを根本から解決するのが 「バージョン管理システム」 です。

Git(ギット):最強のタイムマシン

Gitは、ファイルに対する全ての変更履歴を記録し、いつでも過去の状態に戻せるようにする仕組み(ツール)です。

GitHub(ギットハブ):クラウド上の書庫

GitHubは、Gitで管理している変更履歴のデータをインターネット上で共有・保存できる**「クラウドサービス」**です。

Gitの作業は、大きく「ローカル(自分のPC)」と「リモート(GitHub)」での通信に分かれます。まずは全体の流れを図解で理解しましょう。

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ここからは実際にターミナル(WindowsならPowerShell/WSL、MacならTerminal)を開いて操作します。

まずはGitをインストールしよう

まだPCにGitが入っていない場合は、以下の手順でインストールします。

Node.js をインストールしよう

Web 開発(特に React など)には Node.js という実行環境が必須です。 公式サイトから推奨版(LTS)をダウンロードしてインストールしましょう。

  1. 公式サイトにアクセス: nodejs.org/ja にアクセスします。
  2. LTS(推奨版)をダウンロード: 「LTS」または「推奨版」と書かれたボタンをクリックしてインストーラーをダウンロードします。
  3. インストーラーを実行: ダウンロードしたファイルを開き、設定はすべてデフォルト(そのままで「Next」や「インストール」)で進めてください。

インストールの確認

無事にインストールが終わったら、ターミナルで以下のコマンドを打ってみましょう。

git --version
node -v

それぞれバージョン番号が表示されれば準備完了です!

自分の名前とメールアドレスを登録

チーム開発において、「誰がその変更をしたか」を記録するために、最初に一度だけ情報を登録します。

### 自分の名前に置き換えて実行
git config --global user.name "Your Name"

### 自分のメールアドレスに置き換えて実行
git config --global user.email "your.email@example.com"

※これはPC全体の設定になります。

まずはクラウド(GitHub)のことは忘れましょう。 自分のパソコンの中だけで「セーブデータ」を作ってみます。

Step 1: 実験用のフォルダを作って移動する

mkdir git-practice
cd git-practice

Step 2: git init (Gitの管理を開始)

このフォルダを「Gitで履歴を管理する箱(レポジトリ)」に進化させます。

git init

Initialized empty Git repository in ... と表示されれば成功です! これでこのフォルダは、ただのフォルダから魔法のフォルダになりました。

Step 3: ファイルを作成してみる

テキストファイルを作って、何か書き込んでみましょう。

echo "Hello Git!" > hello.txt

現在のGitの状態を確認する魔法のコマンド git status を打ってみます。

git status

赤字で hello.txt (まだGitが追跡していないファイル)が表示されます。

Step 4: git add(箱詰め・ステージング)

ファイルの変更を行ったら、まずは 「どの変更を次回のセーブデータに含めるか」 を選びます。

### hello.txt をセーブ対象として選ぶ
git add hello.txt

### (参考) フォルダ内のすべての変更をまとめて選ぶ場合は `git add .`

もう一度 git status を打つと、hello.txt が緑色(セーブ準備完了)になっているはずです!

Step 5: git commit(セーブの確定)

箱に荷物を詰め終わったら、「どんな変更をしたか」わかるメッセージ(ラベル)を貼って封印します。これが1つの「セーブデータ」です。

git commit -m "初めてのコミット:挨拶を追加"

これでローカル(自分のPC)に歴史が1ページ刻まれました!

Step 6: 履歴を確認する git log

ちゃんとセーブデータが作られたか、過去の歴史を振り返ってみましょう。

git log

先ほど設定した「あなたの名前」と、「初めてのコミット:挨拶を追加」というメッセージ、そして英数字の羅列(コミットID)が表示されていれば完璧です!(終了するには q キーを押します)

今のままではデータは自分のPCの中にしかありません。 これをGitHubにアップロード(共有)してみましょう!

Step 1: GitHub上に「空の倉庫」を作る

  1. GitHub (https://github.com) にログイン。
  2. 右上の + ボタンから 「New repository」 を選択。
  3. Repository name に git-practice と入力。
  4. そのまま一番下の緑のボタン 「Create repository」 をクリック!

Step 2: リモートリポジトリとの通信設定

GitHubが「これを自分のPCで実行してね」と教えてくれるコマンドをコピペして実行します。

### メインのブランチ名を "main" に統一する(最近の標準です)
git branch -M main

### 先ほど作ったGitHubの空倉庫(_あなたのユーザー名_)を "origin" という名前で登録
git remote add origin https://github.com/あなたのユーザー名/git-practice.git

これで、手元のPCとGitHubが一本の線で繋がりました。

Step 3: git push(クラウドへアップロード)

いよいよ手元のセーブデータをクラウドに送信します!

### "origin" (GitHub) の "main" ブランチへデータを送る!
### (-u は次回以降 git push だけで送れるようにする便利オプション)
git push -u origin main

ブラウザで先ほどのGitHubのページをリロード(F5)してみてください! あなたが書いた hello.txt が表示されているはずです!🎉

チーム開発では、「他の人がGitHubに反映した最新の変更」を自分のPCに取り込む作業が頻繁に発生します。

GitHub上で直接ファイルを変更してみる

  1. GitHubのページで hello.txt をクリックし、鉛筆アイコン(Edit)を押します。
  2. 2行目に This is from GitHub! と追記します。
  3. 下の 「Commit changes」 ボタンを押して保存します。

※これで、「クラウド上の方が、手元のPCより進んでいる状態」になりました。

git pull(最新版のダウンロード)

あなたの手元のPCは、まだ2行目が追加されていない古い状態です。 GitHubから最新の歴史をダウンロード(同期)しましょう!

git pull origin main

ファイルの中身を確認してみましょう。

cat hello.txt

クラウドでの変更が手元に反映されていれば成功です!

コマンド

やること(意味)

タイミング

git clone

GitHubの倉庫をPCに丸ごとコピー

プロジェクト参加時(初回のみ)

git pull

クラウドの最新変更を手元に反映

作業を始める前に必ず実行

git status

現在の変更状況を確認

迷ったらとりあえず打つ

git add .

変更したファイルをセーブ対象に選ぶ

作業が一区切りした時

git commit -m "..."

メッセージを付けて歴史に保存

add の直後

git push

保存した歴史をクラウドにアップロード

セーブをみんなに共有したい時

git log

過去の歴史(コミット履歴)を振り返る

過去の変更を確認したい時